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May 22, 2008

『日本の精神性と宗教』

少し前、宗教学者の山折哲雄先生の講演を聴きました。初めて生でお話を伺いましたが、静かな語り口の中にユーモアと説得力があり山折ワールドに引き込まれました。「日本人の中に寛容な気持ちが薄れてきているのではないか」というお話などは、自分や周囲にあてはめて頷けました。

山折先生のますますファンになった私は、会場で販売されていた本を買いました。『日本の精神性と宗教』というこの本は、天理大学で行われた公開シンポジウムの記録をもとに編集されたもので、山折先生の他、臨床心理学の故河合隼雄先生、宗教哲学の鎌田東二先生、天理大学の橋本武人先生の話が収録されています。
今の日本人は、日本人が昔からもっていたすべての存在に対する畏敬・畏怖の念(=日本人の根本的な宗教性)を失いつつある、そして西欧から輸入した個人主義を利己主義的に捉えて生きている、といったことが書かれています。鎌田先生は、宮崎駿氏の『となりのトトロ』と『千と千尋の神隠し』における神様の扱われ方の違いを例にあげ、そのあたりを分かりやすく説明しています。
あとがきでは、「現代の日本社会がかかえるこのような心の諸問題を検討するとき、私たちは日本文化の伝統的な精神性を振り返り、そのなかでも宗教、あるいは宗教的なものに再度注目する必要があるのではないだろうか」とまとめられていました。

天理教とは縁も縁もないですし、宗教にも詳しくない私ですが、特定の宗教ということではなく日本人が本来もっている宗教性という観点から多くが論じられているので、面白く読むことのできた一冊でした。



日本の精神性と宗教

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Comments

 篤姫の記事にTBしにきました。

 おもしろそうですね、この本。日本人は無宗教といわれることがありますが、その辺は多分、宗教の定義にもよるということなんでしょうね。

>宮崎駿氏の『となりのトトロ』と『千と千尋の神隠し』における神様の扱われ方の違い

 へー!どちらか片方は現代的でどっちかが伝統的な日本の神様ということでいいんですか?どっちがどっちなんでしょう。

Posted by: 悪七兵衛景清 | May 24, 2008 at 02:45 PM

>悪七兵衛景清さま

こんばんは☆

宮崎アニメにおける神様の扱われ方について補足します。
「となりのトトロ」も「千と千尋の神隠し」もどちらも引越しのシーンで始まっているのですが、さつき達家族はみんなで森の神様に挨拶に行くのに対して、千尋達家族は車の中から捨てられた神様を横目に通り過ぎる、昭和から平成にかけて神様の扱われ方が変化してきている、というような話でした。

昔の日本人は自然やあらゆる存在に畏敬の念を持っていたのに、最近の日本人は怖い物無しになってきている、と。

日本人は無宗教と言われるけれど、という話もされていて、面白かったですよ^^

Posted by: ヒロ子 | May 24, 2008 at 08:43 PM

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